「蛍人君、討ち取っていたんだね! 凄いじゃない!」

「いや、あれは……」

「決勝には進めなかったなんて気にするな! 遠山が何とかしてくるから」

「だからその……」


蛍人が何かを言いたそうにしているが、それを柚太と佐和が許さなかった。


(ズレていたから直そうとしてあげただけなのに、
勝手に向こうが取られたと思い込んでいただけだって言いたいんだけどな)


言う事を諦めた蛍人は代わりに心の中で言いたかった事を呟く。

その頃、グランドでは間もなく2年の部の予選が開始されようとしていた……が。