「先輩、平気ですか……?」

「平気平気……乗り物酔いみたいなものだから。湯浅こそ平気なのか?」

「平気だと言ったら少し嘘になりますね」

「そうか……」


応援席から離れた日陰から現在咲が参加しているらしい綱引きを眺めつつ、

柚太と蛍人はポツリポツリと話をする。

綱引きは午前の部の最終競技。もう体育大会が半分終わった事を意味する。


「うちの組、何点くらいとれていると思う? 確認していないから分からなくて」

「真山先輩のペナルティが結構響きそうな気はしますね」