「柚太せんぱーい、佐和せんぱーい!」


旭が大きな声で2人の名を呼ぶ。

するとその声はキチンと2人に届いたようで、後輩達4人の姿を視界に捉えた。


「良かった。蛍人平気そうだ」

「これで心おきなく走れるねっ!」


程なくしてピストルの乾いた音が響き渡り、第2レースは始まった。

だがここでとんでもない事をこのペアはしでかすこととなる。

蛍人の無事が確認された事で妙に勢いに乗った佐和が、全員が心配してしまった事を犯してしまったのだ。


「ちょ、おい、佐わぁぁぁぁ……」


興奮気味の佐和は全て(柚太含む)を忘れ、思う存分に力を発揮した。