咲が無言で肯定の意を示すと、そのまま2人は真っ先に中庭の方へと再び走り出した。
雑草が“言う”ように中庭の真ん中でうずくまっている蛍人の姿を2人は見付けた。
グランドからのアナウンスの声が少し遠く聞こえてくる。
そのアナウンスによればどうやら二人三脚が始まるらしい。
蛍人に近付く咲と奏。自分に影が覆いかぶさって初めて、蛍人は誰かが来ている事に気付いた。
顔を上げて誰がいるかを確認すると、先程まで少し強張っていた表情が穏やかになった。
「宮野さんに、榊先輩か。良かった……あの人じゃなくて」
「大丈夫ですか? こんな事聞くのも失礼かと思いますが……気付きはしなかったのですか?」
咲の問い掛けに蛍人は2つの意味で頷いた。
雑草が“言う”ように中庭の真ん中でうずくまっている蛍人の姿を2人は見付けた。
グランドからのアナウンスの声が少し遠く聞こえてくる。
そのアナウンスによればどうやら二人三脚が始まるらしい。
蛍人に近付く咲と奏。自分に影が覆いかぶさって初めて、蛍人は誰かが来ている事に気付いた。
顔を上げて誰がいるかを確認すると、先程まで少し強張っていた表情が穏やかになった。
「宮野さんに、榊先輩か。良かった……あの人じゃなくて」
「大丈夫ですか? こんな事聞くのも失礼かと思いますが……気付きはしなかったのですか?」
咲の問い掛けに蛍人は2つの意味で頷いた。