女子生徒から咲の手へとじょうろが渡り、咲は水道へ、女子生徒は元いた場所へと歩みを進めた。


「つまり、こう言う事だよ」


奏はその場に立ち尽くしている4人への説明を始めた。


「此処のチューリップの花壇が水やりされていない事を、
どうやって知ったかは分からないけれど宮野さんは気付いて、水をやろうと此処まで来たって事」


「あー……成程。水やり当番のクラスが水やり忘れていたとかだろうな。きっと」


中庭の花壇に限り生徒達が毎週クラスごとに交代で水やりを行っている。

当番のクラスが忘れてしまっていれば花は次の水やりの時間まで、花は渇きに耐えなければならないのだ。