郁人はこの徒競走には参加していない為、

生徒会対決はないのだが奏のふがいなさを見て自分はもっと上位を目指そうと決意する柚太。

その結果はと言えば……意気込みすぎて精一杯走り出したは良いが何もない所で派手に転び、

堂々の6着。つまり奏よりも悪い順位でのゴールとなった。

走り終えて戻って来た柚太を待ち構えていたのは、何やっているんだと言うF組からの罵声。そして……


「盛大に転ぶなんて楽しいパフォーマンスをしてくれるじゃないか」


F組の応援席に戻ってくるまでの途中で投げられた郁人のいやみ。

味方であるF組からは別に何を言われても構わなかったのだが、郁人からの言葉にはカチンとくるものがあった。

だが盛大に転んだのもまた事実。柚太は何も言えない悔しさをかみしめた。