「えーっと……宮野さん?　探し物ならもうすぐ戻ってくるよ」


奏が咲を安心させるかのように言えば、咲は何を根拠にと言わんばかりに奏を睨んだ。


「咲ちゃん、忘れたの?　奏君は予知能力を持っているんだよ?
何を探しているか分からないけれど100%信じて。ね?」


佐和が奏をフォローするかのようにとっさにそう言った。


「奏、お前この先が分かっているようだけど……どうなるんだ?」

「言ったらつまらなくなるよ。それに……ほら、ようやくお出ましのようだ」


奏の視線の方向に旭を始め、全員が目を向けるとそこには赤いじょうろを持った女性生徒がこちらの方へとやってくるではないか。


「ごめんね。園芸部のじょうろが壊れちゃって、勝手に使っちゃったよ。特別科生徒会の皆さんも使うつもりで?　じゃあ返すね」