蛍人自身はいじめもなくなり、千智も傷つける事もなくなり一石二鳥だと感じていた。

ただテストの日だけは保健室ではあったが登校を続けていた。

テスト期間中は具合が悪くなった、怪我をした以外で来る生徒は殆どいない。

少しでも長く勉強をして頭に詰め込みたい生徒が圧倒的多数だからだろう。

テストを受けるだけ受けて終わったら真っ先に家に帰るようにしていたからか、

千智や他のクラスメイトに会う事も全くなくなっていく。

千智も彼にキチンと“事件”についてしっかりとお礼を言いたかったのに、

蛍人は千智が来る事には既にいなくなっていた。


蛍人の不登校はそれからずっと続き、終わる事はなかった。



それから時は流れ、3年の2学期。進路を決めなければならない頃だ。