「あ、気付いたのね。大丈夫?　気分はどう?」

「えーっと……?」

「話は聞いた。蛍人君、災難だったわね」


物音に気付いたのか掛かっていた白いカーテンをめくり、現れたのは保健医であった。

彼女の登場によって蛍人はこの場所が保健室だと言う事を知る。

まだぼんやりとした思考の中で、さっきまでの出来事をゆっくりと思いだす蛍人。

そしてとある事を思い出した瞬間、ハッとなりベッドから飛び起きた。

それに驚いた保健医は慌てて蛍人を制止する。


「武野さんは?」

「ああ、彼女なら病院。大きなたんこぶが出来た程度だったけど、念の為に検査してくるように言ったから。
少なくとも命に関わるようなことはまずないと思う」