それがなんだか彼女にはもどかしく感じ。


「何かあったら相談くらいなら乗るから。でもやめさせたいって気持ちは変わらないからね!?」

「……有難う」


蛍人は優しく笑う。それにつられて千智も一緒になって笑うのであった。

その日を境に少しではあるが蛍人と千智は会話をする回数が多くなった。

心を閉ざしかけていた蛍人も少しずつ打ち解けて行ったその矢先。“それ”は起こった。


ある日曇り空の日の事である。放課後、珍しく千智が一緒に帰る事を提案した。

断る理由もなく、蛍人は千智と一緒に帰る事となる。

下駄箱に向かえば蛍人は思わずその目の前に広がった光景に呆然とする。