その様子に全員が蛍人の変わった力が何なのかを理解した。


「湯浅君は念力でしたか……」


咲が言うのと同時に蛍人はゆっくりと机をその場に下ろした。

蛍人が小さく一息吐き、その言葉に対して返事をした。


「そう、僕の変わった力は念力です。集中しないと上手く持ち上げられなくて、先程は失礼しました」

「多分、誰も蛍人……だっけ? お前に対して怒っていないと思うけど。これで残るは……」


旭の視線が咲に向けられる。咲はその視線に気付くと少しだけ頬を赤らめ、そして慌てるかのように喋り出した。