「実はね、こういう衣装とか持っている友達がいるから交渉してみるね」


配役も決まった所で佐和がにこーっと笑ってやる気をやや失っている男子達に言う。

それは彼らからすればある意味では止めの一撃のような言葉だったのかもしれない。

咲はそんな彼らの様子にただオドオドとする。

それでも何とか励まそうとして思い付いた言葉を発した。


「えっと……笑われるような女装じゃなくて、皆さんが驚くような綺麗な女装をしましょう。ね?
お化粧くらいなら私達も協力しますから」


笑われるよりはマシかと少しだけ元気を取り戻して見せた柚太ではあった物の。