「蛍人が不在なのは気になるけど、今は知った事じゃないですよ。
謝られてもオレ、怒りますよ? あれだけ変なのは引くなと言ったのに……!」

「やっぱり事実を知っていても変えられない物ですね。……困りました」


柚太は2人の反応に開き直るかの如く、他の部活の事を言い出す。

だが旭達にとっては他の部活はどうでも良い様子だ。

困惑する柚太とただじっと睨む旭をよそに、もう腹をくくったらしい奏は提案する。


「もう気持ちは切り替えましょう。なってしまった物は仕方ないです。
で、誰が何に仮装するんですか? それを決めないと」


と。まるで柚太より会長らしい素振りであった。

佐和も咲もそれに賛成し、旭も渋々と女装を認め、柚太はようやく胸をなでおろした。

この事実は蛍人も知っているが、蛍人は多分文句は言わないと思ったのだろう。