「やっぱり水に濡れて調子が悪くなったのでは……?」

「気にしないで。ただ今は食べたい気分じゃないだけだから」


心配をする咲に蛍人は先程よりも低い声で自分が平気だと言う事を訴えた。

だがそれを見た旭はイラッとしたのか、調子が悪いであろう蛍人に問答無用で怒鳴りつける。


「そういうのを調子が悪いって言うんだよ!　お前もう帰れ。咲、先生に蛍人が早退するって言っておけ!」

「いや、だから本当に……」

「駄目だ!」


少しでも多くの休息を取るって欲しい。それは旭だけでなく、他の面々も同じ考えであった。

それでも渋る蛍人に、柚太が“会長命令だ”と言えば蛍人はそれをすんなりと受け入れた。

そして蛍人はゆっくりと立ち上がり、それを咲が支えるかのように2人は揃って屋上から去って行った。

それを見届けた後、柚太は本題を思い出し、残っている他の3人にそれを尋ねた。