そーっと扉を閉じようとすると
「ハルー!閉めないでっ。」
なんて声とともに枕が隙間に差し込まれてくる。
「はぁ………で、どうしたんだよ。いきなり。」
仕方なく扉をまた開けると
「今日からテスト2週間前でしょ?
明日は土日でしょ?
私、英語苦手でしょ?
ハル、教えてくれるでしょ?」
テンポよくそういいながら靴を脱ぎ始めた。
「え、ちょ…!おい、しー!」
「おじゃましまーす♪」
俺が引き止めるよりも早く、
しーは階段を登って行ってしまった。
………まじかよ。
ガチャリ、と部屋の扉を開けると
さも、当たり前かのようにしーが座っていた。
「もぉーハル、遅いよ〜。」
「遅いよ、じゃな……」
俺は思わず言葉に詰まった。