学校につくと


「あ!ユキ先輩!」


そう、キラッキラの笑顔を振りまいて走っていってしまった。





………その笑顔で名前を呼ばれるのは

俺だけの特権。






………だったはずなのに。



なんでそれを他の男に向けてんだよ、しー。






そんな真っ黒な気持ちを押し隠しながら


「しー、先行ってるぞ?」




そう声をかけると

しーはこちらも見ないでひらひらと手を振った。







…なんなんだよ。


ずっとずっと一緒にいたのに。

誰よりもしーのことをわかってるのに。





いつもいつも


しーは振り向いてくれない。







でも……