[晴side]
朝6時。
家を出るのには少し早いこの時間に
俺は金子家のインターフォンを押した。
「はーい♪」
語尾に♪をつける勢いで玄関を開けて出てきたのは花織さん。
しーのお母さんだ。
「あらっ、ハルくん。いつもありがとね〜。汐里、まだ寝てるのよ…。
あ!ちょうどよかった!起こしてきてくれる?」
そういうと花織さんは台所へ戻っていってしまった。
…マジかよ。
いくら幼なじみとはいえ、
寝てる女の部屋に高1男子を送り込むかよ、普通。
…いや、花織さんに普通を求めちゃダメか。
そんな失礼なことを考えながらも観念して
俺は階段を上がった。