「結衣」
「きゃっ…」
お湯を沸かそうとしたとき急に零くんに腕を引かれた。
そのまま冷蔵庫に押し付けられる。
「な…に?」
「なんで離れんの?」
「…なんでって当たり前でしょ?
私達付き合ってるわけじゃないんだから」
平静を装い淡々と言葉を紡ぐ
そんな傷ついた顔…しないでよ…。
勘違いしちゃうじゃん。
「結衣…おれは…」
「零くん、お仕事あるでしょ!!
そろそろ帰って準備したら?
ほら、私も大学あるし!!」
零くんの言葉を遮って零くんを押しやる。
大学なんて…うそ。
これ以上零くんと一緒にいたら確実にさっきみたいになる。
それだけは避けなきゃ。
「帰って」
「やだ。」
「帰ってよ、大学あるって言ってるでしょ」
「嘘つくな」
「ついてない!!」
「あるとしても、帰ってくるまで待ってる」
「迷惑!」
「本当に?」
「迷惑だよ!帰って!」
「迷惑って言うならなんでお前泣いてんの?」