「ん……」

もう…朝?
うっすらと目を開けるとそこに零くんの姿はなかった
体を起こして周りを見ても服も零くんもいない。
自然と涙目になる

「零…くん?」

なんだか怖くなり私服に着替えてリビングへ行く
そこにはソファーにすわってテレビを見る零くんがいた。
すると零くんは振り向いて

「結衣?どうした?
なに泣いてんだよ?」

そう言って私のそばまで来て袖で私の涙を拭いてくれた。
優しい顔…。
零くんが部屋にいないと思ったとき好きな人のところへ行っちゃったのかと思った。
いつの間にか零くんに抱きつく。

「零くんっ……」

「相変わらず泣き虫だな」

優しく私の頭を撫でる零くん。
私はハッとして零くんから離れた。
なにしてるんだろ。
こんなことしたって迷惑になるだけなのに…
何事もなかったようにキッチンに向かいコーヒーを入れる