それは、間違いだらけの数学の解答用紙だった。

「30点ってなに?」
「だって、分かんないんですもん!」
「もんじゃねーよ」

先生はポケットから煙草を取り出して火をつけた。

「まぁ、わかんないんじゃしょーがないよな」
「そうなんです!!!」

珍しくものわかりがいい!!!
許してくれるなんて!!!

「田中ぁ」
「はい‥‥?」

あれ?顔、怖くない?
ん?今、にやってしたよね。
笑ったよね!?!?!?

「夏休みもうすぐだなぁ」
「そ、そうですねぇ」
「予定、入れてるか?」
「はい!友達との予定びっしりっす!」
「そうか、そうか」

口角‥‥あがった??
も、もしかして、これは‥‥

「田中」
「はい‥‥」
「夏休み、補習決定だから♪」

その後、私の叫び声が教室に響きわたったのは言うまでもない‥‥。