ピピピピピピ…カチッ
「ふぁ〜〜…」
瀬戸内 美空(せとうち みそら)15歳。
今日から高校生になる
特徴はパイナップルみたいなポニーテール。
(結構上に上げてる。)
そして、癖は口角が上がる事。

にゃー…

どこから声が聞こえてきよった。
私は、ベットから降りて、辺りを見渡した。
すると、勉強机の椅子の上に真っ黒な猫のクロがおった。
「おはよう、クロ。お腹空いよな??今ご飯持って少し待ってな?」
私はクロには、笑った事がない。
笑わなくていいよってクロに言われている気がするから。
私はいつものように台所の下の引き出しからクロ用のご飯を取り出した。
シャラララ
クロのご飯をお椀に注ぐ。
「はい、クロ。ご飯や。」
そういうとクロが寄ってきてご飯を食べ始めた。クロを撫でながら、今日の入学式の事を考えた。
「…出なくてもいいかなぁ…」
そう言って、お母さんとお父さんの仏壇を眺める。
私のお母さんとお父さんは私がまだ5歳だった時震災で死んだ。
この街で震災はよくある事だった。
でも、そう見せない力があった。
それは、笑顔の力だった。
私を引き取ったおばあちゃんに良く、 言われていた。
「美空っていう名前はね、美しい空みたいな笑顔でみんなを元気にしますように。っていう願いが込められているのよ?だから、笑ってようね。」
それは、昔の私にとっては嬉しかったけど
今の私にとっては















残酷な言葉だった。