いつかあなたに

「えっ///近いっ…」

心臓が壊れそうなくらいに恥ずかしかった。
こんなに顔が近いのは初めてだから。

「てかさ〜好きな人とかいないの？」

急に聞かれて固まってしまった。

「いないよ…」

「気になる人は？」

考えた。ここで正直に慶斗って言おうか。

「気になる人もいないよ」

嘘をついた。でもここで慶斗って言っていたらどうなっていたんだろう。

「いないのか〜俺は？」

自分の耳を疑った。聞き間違えかなと。
でもそんなことはなかった。でもまた聞き返した。

「え？なに？」

「だから、気になる人に俺は入らないの？ってこと…」

なんだか恥ずかしかった。目を見て話されてるからバレている気がした。

「慶斗のこと？ないない〜」

笑いながら話していたつもりだけど絶対顔が引きつっている気がした。
今にも泣き出しそうな気持ちだった。

「そっか…」

私には理解ができなかった。
どうして落ち込んだような顔をしているのか。