‐ピンポーン


来たッ、来た来た来た来た!






「いらっしゃい!」


ママの顔が、いつもより生き生きしてて…すっごく相手の人が大切なんだって、こんなバカな私でもわかるよ。




「こんにちは。」


相手の男性が私に挨拶をした。


「こんにちは★瑞希です。」


「律子の言った通り、可愛いコだな。」


律子というのはママの名前で、男性は私に優しい笑顔で笑いかけてくれた。

ママ…。
こんな優しそうな男性と…。





「ママから簡単に話は聞きましたよ?」

「ありがとう。瑞希ちゃんは嫌か?」


単刀直入に聞かれた質問に唾を飲む。

どうしちゃったの…私…?



そして、私の唇が勝手に動き出した。



「同居って聞いたときは、正直不安になりました。知らない男性と急に住むんですから…。」

「そうだな…。」と、男性はがっかりしたように言う。
隣に座るママも悲しい表情をしている。




「さっき、あなたが玄関に立ってるときのママ。すっごく嬉しそうでした。ママがあんなに笑ったの久しぶりに見ることが出来ました。」

……私の…本心?


「ママの幸せのためなら大賛成です。」


「本当かい?」


「でも、私の部屋は覗かないでくださいよ♪」