「瑞希?ママ行って来るね?」

「うんッ!行ってらっしゃい!」


ママが玄関の扉を開けようとして…
何故かママの手が止まった。



………?


「どしたの?」

何故かママの顔が曇っている。



「明日の朝、瑞希に言わなくちゃいけないことがあるの。」


えっ!なっ…何なの!?
そんなの気になるよ!
私、そういうの待てないのママ知ってるのに…。



ママはそれだけ言って家を後にした。


なっ…。
気になるよー!


ひゃーッ!待てない人間って
こういうの超苦手!
どしたの本当!?

病気にでもなったのかな?
嫌だ、縁起でもない。




‐ピピピ


と、最近機種変したばかりの
お気に入りのケータイが鳴る。





「もしもーし?」


「あっ、俺。」


「ゆっ!優斗ー!」


「なんだよ瑞希。超テンション高いじゃん。」


「別にそんなんじゃないよ!」



今は気になってるだけです。
と、心の中で突っ込む。

優斗に聞きたいなんて言えないよ…。

そしたら今聞いてこいって言われて、ママは仕事行ってるからいない。
そんなの言ったら仕事って遅くない?
とか言われちゃうじゃん…。





焦りますね…。



「なんでもなーい。」


「はいはい。」


「ねぇ、優斗?」


「何?

‐優斗ー?いつまで電話してるのー?」


「わりっ、親が…。」

「そだね。バイバイ。」