向日葵畑はなかった。

よくよく考えてみればまだ春。

向日葵が咲いているはずがない。

「向日葵……。」

落ち込んでいると、向日葵畑の後ろの丘に、桜が咲いている。

近づいてみると、満開だ。

花びらがヒラヒラと散り、悩んでいるのが馬鹿みたいになった。

「桜…これも思い出……。」

桜の幹を見ると、何か書いてある。

『わたし達を忘れないで』

昔誰かが書いたのか、かなり読みづらくなっている。

ふと思った。

向日葵畑に桜。

もしかして、ここが?

この場所で、私は3人と思い出を作ったの?

「いたっ……」

思い出そうとすると頭痛がおこる。

頭が、思い出そうとしてくれない。

それが、すごく辛く感じた。