梓side

トイレから戻ってくると、レイが1人で窓の外を眺めてた。

『レイ?』

「あ、えっと…梓ちゃん。」

レイに笑いかけると、レイから驚きの言葉が出てきた。

「私ね、1つだけ覚えてる事があるの。端っこにあるんだけどね、私、向日葵と桜が好き。」

1つだけ覚えてると言い出した。

呆然としてしまった。

私たちにとって、向日葵と桜は、大切な花。

それを、覚えてくれてた。

「梓ちゃん!?どうしたの!?」

気づけば、涙が流れてた。

『それ、覚えててくれて嬉しい。』

「梓ちゃんの、思い出?」

『違う。私たちに4人の思い出』

ノートに涙が滲む。

このノートの表紙にも、向日葵が描かれていた。