レイは昔から、優しくて可愛くて誰にでも好かれる子だった。

いつも男子とケンカばかりしてた男勝りな私の事を心配までしてくれて。

そんなレイの人生を私が奪った。

私が………レイの人生を壊したんだ。

私なんて……いなくなればいい。

病室のガラスに頭を打ち付ける。

ガン!ガン!と何度も打ち付けた。

だけど、何度ぶつけても、意識を手放す事はできない。

涙が溢れる。

出来損ないの私を、なんで神様は見捨てないの。

「梓!何やってんだ!」


遠くでキリトの声が聞こえる。
遠い。遠いよ。

「大丈夫か梓!?」

輝の声も聞こえる。

横を見ると、慌てて駆け寄る二人の姿。

声を失った私は、感情で動くことしかできなくなった。