昨日まで普通に話せてたのに。

「しばらくは、家で落ち着いて過ごして下さい。落ち着いたら、治る…という可能性もありますので。」

「そうですか…。」

キリトは私を見る。

私は立ち上がり、先生に会釈をして診察室を出た。

「梓!?あ、あの、ありがとうございました!」

向かう先は、レイの病室。

嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。

レイのせいだなんて嫌だ。

出さないと。出さないと。

「梓待てって!」

レイの病室の前に人がいる。

それは、輝だった。

「梓……。」

私に気づいた輝と目が合う。

輝の顔は青白かった。

「輝……ついたのか。」

「キリト…。レイは、大丈夫なのか?」

「手術は成功した。だけど、目を覚ますまでは…分からないって。」

「そうなのか………。キリト、ちょっといいか?」

キリトと輝は、私に聞かれないような場所に移動して話をしている。

改めてレイを見る。