「案内するね。」

看護師さんは、ゆっくり歩き始める。

階段を上り、長い廊下を歩くと、廊下の突き当たりに人がいる。

よく見ると、キリトとレイの家族だった。

「!!」

「梓!」

足音に気づいたのか、キリトが振り向く。

ガラス越しに見るレイは、痛々しかった。

何本も点滴の管が伸びて、その先にはレイの腕がある。

視界がぼやけ、頬を涙がつたう。
涙が溢れてとまらない。

ふとキリトの顔を見ると、キリトも泣いていた。

声をあげてなくキリトと、声をあげることができない私。

私達が…何をしたっていうのだろう。