キリトside
梓の後を追って病院に向かう。

着いた時、手術室の前にはレイのお母さんしかいなかった。

「お久しぶりです。」

「キリトくん…。」

隣にはレイの妹の柚葉ちゃん。

「あの、梓は…。先に来ているはずなんですけど…。」

レイのお母さんは一度俯き、声を震わせた。

「梓ちゃん、呼吸困難になっちゃって、今は病室で眠ってるの。」

「呼吸困難!?」

梓……急にどうしたんだ。

柚葉ちゃんの隣に座ると、なぜか冷や汗が吹き出した。

レイは手術中、梓は呼吸困難、輝はまだこっちには来られない。

俺がしっかりしないと。

「あの、レイ…は……。」

「ぶつかったのが、普通の車だったら……。」

レイのお母さんは泣き崩れた。

運ばれる時、一緒だったのだろうか。

きっと、大型トラックに衝突した…。

電話で事故にあったとしか言われなかったからどんな状況だったのか分からない。

とにかく今は…レイの手術が成功する事と、梓の回復を願う。