手術室の前にいたのは、レイの家族だった。

お母さんとお父さんと妹の柚葉ちゃん。

真っ先にレイのお母さんが近づいてくる。


「梓ちゃん!?その格好、どうしたの!?」

レイのお母さんも真っ青になっていた。

「レイ……レイは………。」

「まだ、手術中なの。」

顔を伏せて、肩を震わせながら私に伝えてくれた。

「梓ちゃん、こっちにおいで。」

レイのお父さんが、手招きをして、椅子を指さした。

椅子に座り、ようやく今の自分の状況を把握する。

顔と手足は真っ赤になり、足は傷だらけになっていた。

通りかかった看護師に、レイのお父さんは毛布を頼んだ。

「梓ちゃんもこんな状態じゃ、レイが心配するよ。」

レイのお父さんの優しい声が、なんだか心に響いた。

少し落ち着いて、だんだん状況を把握する。

「なんで、レイは事故に…。」

「あ………。」


レイのお父さんとお母さんは顔を見合わせて、苦しそうな顔をした。

「梓ちゃんは優しいから、これを聞いて辛い思いをするかもしれないよ。」

「…?大丈夫です。」

「うん…そうか。」

しばし沈黙が続き、レイのお父さんが口を開いた。

「梓ちゃんに会いに行ったんだ。その途中で、事故に…。」

呼吸が止まったような気がする

いや、本当に止まっていたのかもしれない。