あーぁ…


「七ー菜ー!」


またあの嫌な声が聞こえた。


振り返ると、予感的中。


「竜樹…何…」


「さっきの花火大会の話だけど、」


今だ!言わなきゃ!


「あっ…その話なら…あたし、彼氏に誘われてたんだよね…」


これはもちろんウソ。本当は好きな人もいないし、興味もない。


「え…彼氏…?」