黄瀬さんが手際良く場所を確保した。
確かにここなら、
お店も近いし海もすぐ入れそうっ!!!
「礼ちゃん日焼け止め塗ってくれる?」
「うんいいよ、貸して」
あたしは自分で塗れないところだけ、
礼ちゃんに塗ってもらって、あたしも礼ちゃんに塗ってあげた。
「芽生ちゃん、浮き輪空気入れようか?」
あたしってば一番大事な物忘れてたっ。
「ありがとっ!すっかり忘れてた。」
「はははっ、これが無いと沈むよ~?」
「だよねっ!ごめんね助かるっ」
勇志くんが浮き輪に空気を入れてくれてる間、
礼ちゃんに髪をまとめてもらった。
「はい出来たよ」
「ありがとっ!」
「じゃあ芽生行こっ!!」
じゅ、準備運動とかしないの?
学校ではラジオ体操してから入ったけど・・・。
「芽生、あんまはしゃぐなよ?」
「うんっ大丈夫!愁ちゃんも行こ?」
「愁~っ!!ほらっ早く行こっ!早く早く」
愁ちゃんの腕を引っ張って、
黄瀬さんと愁ちゃんは先に海に入っていった。
浮き輪引っ張って欲しかったのにぃ。
仕方ないかっ。
黄瀬さんもこんな時くらい好きな人と一緒にはしゃぎたいよね。
協力協力っ!!!
「芽生~っ!おいでよ!冷たくて気持ちいい!」
「うんっ!!」
あたしは礼ちゃんの後を追って、
浮き輪を装備してゆっくり海に入っていった。