トントン。 「芽生?ご飯‥‥食べないの?」 食べたくない。 誰とも話したくない。 外に出たくない。 「ここに置いとくから‥‥。」 ママが部屋の前に食器を置いた音と、 階段を降りていく音がした。 あたしはあれから散々泣き腫らして、 布団に潜ったまま何もしてない。 本当は眠りたいのに、 目を瞑ると礼ちゃんの顔とあの落書きが頭によぎる。 "消えちゃえばいいのに" 「‥‥っ‥‥きえたいっ‥‥」 ピンポーン。