あたしの目に入ったのは、 黒板に書かれた憎しみに満ちた字体の文字。 この字‥‥‥‥。 看板に書かれた文字と一緒‥‥。 「芽生ちゃん、とりあえず帰ろ。」 あたしの腕を掴んだ勇志くんを、 あたしは振りほどいた。 あたしには分からなかった。 どうして礼ちゃんが何も言わないのか。 ねぇ礼ちゃん。 どうして何も言わないの? どうして‥‥‥‥ここにいるの‥‥? 嫌な予感は無残にも的中してしまう。