「ねぇ、青海さん」
「なに?」
「僕に景色を教えて」
太陽は赤色?
満月は丸?
色も形もわからない僕だけど
青海さんには全てわかる
「空はね、雲ひとつないよ
空っていうのは、すごく青いんだ
あ、青ってね私の名前にもはいってるの
それと雲っていうのは、ふわふわしてるんだ
ふわふわっていうのは、…私のほっぺみたいな感じかな!」
青海さんはたどたどしい言葉で景色を並べてくれた
「ありがとう、青海さん」
「ん~、伝わった?」
「うん、伝わってるよ」
きっと、きっと、きっと
こうやって自分の世界をつくっていく
いつか新しい世界をつくれることを期待して
「青海さん」
「ん?」
「…僕、見えるようになるよね」
「…うん、きっと、」
「ありがとう、」
僕はあることを心に誓い
帰り道へと足を進めた
ねぇ、青海さん
次ここに来るときは、