「れい君、今日はどこに行きたい?」
「この前の公園、あそこに行きたい」
僕の手を引いて公園まで連れていってくれる
僕が転ばないようにと
必死に明るい声で話しかけながら進んでいく
「はい、ここに座ってね!」
「はい」
「あ、大丈夫?」
「うん、平気だよ」
座ってみて感じるのは
椅子でも公園にある遊具でもなく
空気と温度と音と、それと木の香り
まだ昼間だから子供がたくさんいるのだろう
走り回る音、ブランコをこぐ音、
そしてたくさんの笑い声と
たまに泣き声も聞こえるかな
きっと転んでしまったのだろう
想像したら可愛いなって
笑みがこぼれるのが自分でもわかる
あ、それと風も感じる
そよ風というのだろう
とても心地がいい