「大地、唯ちゃん来てるぞ」
「え? あ、おう」

 ―放課後、俺が宿題のプリントをやっている時
悠哉に言われて俺はプリントの問題を解くのをやめて、廊下へ出た。
出て見ると、壁に寄り掛かって窓の外の景色を眺めている唯が居た。
夕日に照らされた唯は、すごく綺麗だった。

もしかして、俺がプリントやってるの見て、俺が終わるまで待ってるつもりだったのか…?


「あ。大地、終わった? 」
「おう。悪いな、待った? 」
「うん。かなり待ってたんだけど」
笑いながらわざとらしく言う唯。
「言ってくれりゃよかったのに…」
「嘘嘘。5分ぐらいしか待ってないよ。しかも景色眺めてたから暇じゃなかったし」
「そんなことが暇つぶしになんのか…? 」
「うるさいっ! 暇つぶしは人それぞれ違うんだから! 」
そう言って勝手に怒っている。
短気だな―。 でもそんなところも可愛い…。


「じゃ、ちょっと待ってて。鞄取って来るから」
「はいはい。」

俺が教室に戻ると、悠哉が1人ぽつんと机に座っていた。

「ごめんな悠哉、先帰る」
「ん? あぁ…じゃあな!」
「おう! お前も早く帰れよ? 」
「わかってるって! 」


そして俺は教室を出た。