「っていうか大地ー前付き合ってた子とは別れたんだっけ? 」

「結構前に別れたよ。悠哉に言ってなかったっけ? 」

俺は唯が好きだったけど、彼女がいた。
あっちから告白してきて、遊びで付き合ってみようかなと思って。

「聞いてねぇーよ!!! 何で!? あの子美人で綺麗だったのに…」
「あー見えて、怖いから。」
「マジ!? でも俺あの子気に入ってたんだけどー」
「じゃあ連絡先教えてやろーか?別れるって言ってんのに、あいつしつこいんだよな…」
「前にもそんな子いなかったっけ? お前、女に愛されてるな~」
「俺、面倒臭いの嫌いだし。」
「じゃ、俺狙っちゃっていい!? 」
「別にいいよ…てか、あいつ もう俺の女じゃないし。」
「でもなぁ…大地のこと好きになった女の子ってずっと大地のこと根に持つからな…」

「はぁ、そうなの? 」

「そうだよ。いいよなお前は…モテモテイケメン君で!! 」

その後も悠哉はずっと文句を言っていたけど、俺は気にせず元カノの七瀬の連絡先を教えてやった。

七瀬は、3ヶ月前に俺に告白してきた。
俺が「OK」した時、七瀬はすごく嬉しそうな顔で喜んでたっけ。
でも俺が七瀬を好きになることはなかった。


 ―――俺の中には、いつも唯がいたから。
唯しか考えられなくて、頭の中はいつも唯で。
俺が時々学校で唯と喋ってる時とか、七瀬が話してるのに上の空だった時は、いつも七瀬に疑われた。
「他に好きな人いるでしょ? 」とか聞かれて。
それが毎日続いて、電話出なかったりメールの返事が遅くなっただけでも疑われる日々が続いてて。

 ―もう嫌になって俺から別れを切り出したけど
「絶対別れない」って言ってくるだけだ。七瀬は悠哉に任せるか…