尚が終わるとあと2、3人が踊って終了した。

結果発表はまだ時間があく。

このコンクールは1日で決まるので、表彰式の時と同時に結果発表みたいなものだ。

「怜央、どうする?これから結果発表まで時間あるんだけど…。」

そう言うと怜央は笑顔で

「最後までいる」

と言った。

「了解。家ってどっち方面だっけ?」

「えーっとあの駅からすぐだよ。」

と言った。

「あっ、おっけー。じゃあ、それまで少し運動してくるねー。真帆ごめん。お願いしてもいい?」

と私が聞くと真帆は呆れ顔をして

「わかったよ。行ってきな。」

と言ってくれた。

「ありがとう!私は…今日は早めに来る。多分。」

と私は走って先ほどまでいた控え室に入り、荷物を取り、リハーサル室に行く。

「なつ、お疲れ様。」

と先に来ていた尚がいた。

「なーおー!おつかれ!すっごかった!かっこよかった!もー本当に良かったよ!」

と私は尚に抱きつく。

いつもコンクールが終わってギリギリの時間までここで踊るのが私と尚の習慣になっている。

「なつこそ。雰囲気よくなったよね。」

「ほんと?良かったー嬉しい。」

「うん。ね、なつ、少し組む練習してもいいかな。」

と聞かれた。
組む練習とは、男性と女性が一緒に踊る事で、主に男性が女性をサポートするのだ。

「いいよ!何するの?」

「リフト」

リフトとは人を持ち上げる事だ。

「おけ!」

と私はポーズをとると、ふわ と体が上り、足が浮く。

「不安定?」

と聞かれるが、全然そんな事はない。

「平気。むしろ安定してる。」

「良かった。下ろすね。」

と言われてから段々と体が下がっていって地面に足がつく。

「リフト、上手くなったね。」

「いやいや。それよりまた痩せた?」

「っ、そんなこと無いよ。」