踊れて楽しい。

それが私の頭の中を支配していた。

こうなるのはいつもの事で、その為注意が疎かになる。

だから私は練習を重ねて今出来ること全てを出せるようにしてきた。

失敗したらその時だ。

そう思っている。

だから舞台を誰よりも楽しんでいるのだと思う。

気がついたらもう終わって、舞台袖に入る所だった。

「おつかれ!」

と戻れば真っ先に真帆が出迎えてくれる。

「ありがとー!尚の見たいから早くしないとっ!」

と私は急いでメイクを落として普通のメイクをした。

私はバレエメイクは濃いからスッピンのギャップに怖くなるのでナチュラルなメイクをする。

「いこっ!」

と私は必要な荷物を持って客席に向かう。