「きょうつけ、れい!!」
「しやっす!!」「お願いします」

図太い男子の声とゆるーい女子の声が
体育館中に響きわたる。

森本高校バスケ部

憂鬱なような、楽しみなような
意味のわからない気持ちを抱えながら部活に挑む。

いつもの流れ、いつもの雰囲気
何も変わらないのに何かが足りない。

あ、3年の先輩が引退したのか。
そんなことを考えながら今日も部活終了の合図を待っている。


ずっとこんな日々が続くんだと思ってた。
何も変わらずに卒業するんだと思ってた。

君の存在を知るまでは。