「彩~。うちね、好きな人できたんだー。」


そういって笑う涼花はいつもかわいくて。

春の風が私たちの髪をなびいた

「え?誰よ?」

「中学の時にいた萩野くん!」

え?もしかしてあの、イケメンで運動神経よくって、あーまぁそーか、涼花かわいいもんね!でもなんで??

「彩~?………」

風が思いっきり私たちを仰いだ
涼花のこえがきこえなくなるくらい。


「ん?」



「私、萩野くんとね…」


何にも聞こえない、萩野くんとなにをしたのかもわからない


「ごめん!聞こえない。」


「やっぱ、何でもない……」

それだけは
しっかり聞こえたんだ…

そーいえば萩野くんによばれたあの日もこんな日だった…




なにもいえずすぎたんだ。