困ったような顔をして居る孝介の顔を覗きながら
もう一度言った。
「ねえ・・・何を困って居るの
直ぐにお家の人に 話すのよ。そうすれば
お婆ちゃんは どんなことでも
簡単に答えられるかもしれないよ。」
そう言いながら 膝の上に孝介を抱いた。
お婆ちゃんの膝の上が安心したのか
孝介は泣きじゃくりながら言った。
「お婆ちゃん 虐められたんじゃないよ。
宿題に作文を出されたの。
僕、作文が一番 嫌な 宿題なんだ。
何を書いて良いか解らなんだよ。
書かないとみんなの前で叱られるんだよ。」
そう言いながらまた涙を拭いた。