「きゃー!先生の奥さん?!」 一気にざわつく教室。 廊下に人が溢れてしまった。 中でも一際驚いているのは裕也だ。 「え、何…」 どうして?とでもいったところだろうか。 「これ」 ネクタイを渡すと、ばっと自分の胸元を確認する。 「うわ、ありがとう」 「いいえ」 私たちのやり取りの間ずっと隣でそわそわしている生徒のみんな。