その後の記憶は あまりない。 覚えてるのは 真っ暗な部屋で鎖に繋がれた灰くんと 黒いベッドに降った真っ赤な薔薇の花弁と 灰くんの悲鳴。 「やっぱり……瑠美は綺麗だ」 悲鳴の中で聞こえたこの言葉は 灰くんが言ったものなんだろうか… それは 今でもわたしにはわからない。 知っているのは 灰くんと 『本物のわたし』だけ。