1日の授業が終わり教室を出ようとした。その時、蓮が後ろから愛里の横を通過した。
「どぉなっちゃうんだろうね、愛里は。」
と、蓮はボソッと呟いた。 
愛里の顔色が変わった。そして速足でいつも行くクラブへ向かった。
愛里はクラブで働いている。もちろん店側も愛里が高校生とは知っている。ここのクラブは無許可で営業するクラブだった。それを理解したうえで愛里も働いている。
クラブに向かう途中、私服を忘れたことに気づき渋々家に帰ることにした。
 
少し震える体と重たい足取り。何に怯えいるのかは分かっている。帰りぎわに言われた蓮の一言。たった一言が何度も頭の中をよぎる。