「自殺…したんだ…。」
「…え?」
全ての思考能力が、その言葉に強制終了された。
「飛び下り自殺だったんだ…。
傍には、綾瀬が彼女宛に書いた歌詞があった。」
「歌詞…?」
「綾瀬は…その歌詞を書いたことを今も悔やんでる。
あいつを殺したのは自分だ、って…。」
「どんな歌詞だったの…?」
躊躇いがちに、あたしは訊いた。
亮平くんも、言うのを躊躇っているようだった。
少しの沈黙の後、亮平くんはゆっくりと口を開いた。
「君が泣くなら僕は傍に居よう
君が失ったものを、僕が補おう
君が笑うなら僕は全てを捨ててもいい
だけどさ
君ならきっと空を飛べるから
流した涙を力に変える強さが
君にはきっとあるから
もう一度笑える日が来るまで
僕は歌を歌うよ
君の作った歌詞と
君の歌を想いながら…」