「それで…彼女は…?」

話の続きが気になった。

今、彼女がairに居ないということは…

「……………………。」

亮平くんは俯いてしまった。

訊いてはいけない質問だったのかと、あたしは不安になる。

そんなあたしに、亮平くんはゆっくりと顔を上げた。

ふぅ、大きく息を吐く。

「…手術を、受けた。」

どこかホッとした。

綾瀬の大切な人が生きている。

声は失っても、
歌を失っても、
命さえあれば。

綾瀬は笑えると思った。

「でも…」