「玲奈ちゃん」
キラキラした眼で先生を見る玲奈ちゃん。
「はい!」
「玲奈ちゃんはすぐになんでも
できるって思われがちだけど
誰よりも努力をしてて
本当に偉いと思う。
自主勉強のノートはクラスで
一番多くて,どのページも
しっかり書き込んでたね。
これからも努力を続けてね。」
玲奈ちゃんは赤面していた。
照れではなく屈辱で。
玲奈ちゃんは努力の人じゃなく
頑張らなくてもできる子って
周りに思われたがっていた。
実際,私もそう思っていたから驚いた。
全ての先生の前で完璧な猫かぶりを
する玲奈ちゃんが唯一憧れていた先生に
知られたくなかった必死の努力を
みんなの前で言われたのだ。
それに反して私は大人しくて太いのに
眼を誉められたのが玲奈ちゃんの
怒りに触れたようだった。
明らかに私を睨む玲奈ちゃんが怖くて
先生の言葉は耳に入らなかった。